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舞台、音楽、エンタメの未来を繋ぐために 支援のご紹介

舞台、音楽、エンタメの未来を繋ぐために 支援のご紹介

2020年05月29日

こんばんは!スタッフのアスカです。
緊急事態宣言も解除され、少しだけほっとできたのではないでしょうか。私も6月上旬に、ようやく髪を切りに行けそうです…!!

とはいえ、まだまだエンタメ関連の実情は厳しい状況です。
劇場や劇団、エンタメ関連の企業様は、しばらく耐え忍ぶ期間が続くのかもしれません。
そこで今回は、有志の方が立ち上げをされているクラウドファンディングや基金などをご紹介させて頂きます。

※それぞれのプロジェクトに関するご質問は、各プロジェクト主催者様へお願いいたします。



1.演劇支援プロジェクト SAVE THE THEATRE【5月31日まで】⇒6.2追記 6月30日までに延長されたそうです!!


有志団体から提供された舞台映像を300円で配信し、その鑑賞料金と投げ銭のうち、必要最小限の配信経費を除いた収益の50%を支援対象団体等に配分するそうです。演劇、ダンス、歌、落語、講談、漫才、声優、ビデオアートなど、ジャンル問わず配信。
今回のコラムではこちらで鑑賞した舞台の感想も書いていきます。



2.ライブハウス支援プロジェクト「live force live house.」【5月31日まで】


ROCK/POP系のBANDが主に出演している、全国の独立系のライブハウスを対象にした支援グッズを販売。税込み3000円のピンバッジを買うことで、グッズ制作費、発送費を除いた約2,600円が支援金になるとのことです。



3.小劇場エイド基金【6月5日まで】


日本全国の小劇場の運営継続を支援するための基金。集まった金額から手数料などを差し引き、小劇場に均等分配するそうです。Sakaseruでもよくお届けした劇場さまも沢山対象に入っています。



4.舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund【8月25日まで】


新型コロナウイルス感染症によって活動停止を余儀なくされた、舞台芸術に携わる出演者さま・クリエーター・スタッフさまに対して今後の活動に必要な資金を助成する基金。8月25日以降も公益財団法人として活動し、継続的に舞台芸術文化の支援を行っていくそう。



他にも音楽ライブハウス系ならe-plusさんがまとめページを作っていらっしゃったり、
演劇系は有志の方がまとめアカウントを作っていたりと、多くの方が動いていらっしゃいます。もしご自身の琴線に触れる活動があれば、無理のない範囲でご支援ください。

また5月31日までで終わってしまう、[演劇支援プロジェクト SAVE THE THEATRE]で拝見した舞台について、感想を書いていきたいと思います。
舞台「燕のいる駅」について。

こちらの舞台に限らず、素敵な舞台が沢山配信されています。一つ300円と手頃な金額ですので、この週末鑑賞されるのはいかがでしょうか!



舞台[燕のいる駅]

(ネタバレありです、ご注意下さい)

こちらとても有名な脚本だそうなのですが、恥ずかしながら知らなかったため、ほぼ前情報なしで鑑賞しました。先にお伝えすると、途中から食い入るように見てしまうような、素晴らしい舞台でした。きっと役者さんの演技や効果など、素晴らしい点は他にもあるのだと思いますが、そちらについては知識がないので、お話についてだけ感想を書きます。

事前に見たのは配信ページに書かれていた以下のあらすじのみです。

*以下引用*

私たち、世界で最後の二人だったりしてね
春、燕が巣をつくる頃。昔なつかしい日本の風景を模してつくられた「日本村四番」。駅は一昔前にあったローカル線の駅舎を思わせる。穏やかな時間が流れるが、遠くの空にはパンダの形をした雲。
……突然、人は消えた。理由は分からない。駅に残った人々は穏やかな景色の中でただ待つ。これが世界の終わりなのか?
その脚本が持つ時代を超えた普遍性が高く評価され、幾多の団体によって上演されている作品。

*引用おわり*

ものすごく、ぎくりさせられた作品でした。

物語では詳しい状況は説明されないものの、セリフの端々から情報が提示されていきます。
「隔離された場所であること」「外国人への差別が普通に行われる場所であること」「何か不吉なことが起こっていること」など、情報が開示されるたびに不穏な気配が。牧歌的であった冒頭の雰囲気は徐々に良くない方へ、でも穏やかに緩やかに、世界が"終わって”いきます。(舞台上では“世界が終わる”ということは明言されないのですが、取り返しのつかない状況になっていくことだけはわかります)

印象的な場面やセリフは多数あるものの、今回は自分の好きなキャラクター・ローレンコ三郎にフォーカスして書いていきたいと思います。

登場人物のローレンコ三郎は外国人で、その証である赤いバッジを襟元にいつでも身につけています。つまり差別される対象なのですが、見た目は日本人と変わらず、また周囲のあたたかさや本人の穏やかな雰囲気から、最初はそこまで暗い印象は与えません。
しかし世界が終わりに近づいていくと、その隠された気持があらわになっていきます。

外国人である親の苦労や外せないバッジから、密かに鬱屈とした気持ちをためていたこと。親友であり“純粋な”日本人である高島の、無神経にも思えるのんびりとした性格に対し、時に苛立ちを感じていたこと。これらもまた明言はされませんが、わかりやすく描かれます。役者さんの演技力も相まって、穏やかな人(三郎)が余裕のない中で思わず本音を口にしてしまっている、という切羽詰まった感じがリアルで、どきどきしてしまいました。

これが私は見ていて気の毒で、そしてぎくっとしてしまったのでした。「無意識であること(考えないこと)はよくないこと」と言われたようでした。

「お前は何も知らない」「知ろうとしない」と、三郎が言います。
高島は鈍く、のんびりしている人の良い青年です。本当に悪気もなかったのだろうと観客から見ても感じられます。
でも長年親友として過ごす中、高島も三郎の環境について不思議に思ったことはあったのではないでしょうか。でもそれを「何も言わないから」と考えずに流して、見て見ぬふりをしてきました。そのせいで、高島は世界の終わりの日に親友に責め、三郎も親友を責めることになってしまいます。しかも世界が終わってしまうので、仲直りもできません。

作品全体として、「自分の頭で考えて行動する」ことについて訴えているように思いました。世界が終わる理由は描かれていない(と思う)のですが、戦争という言葉が何回か登場したことから、外国との戦争が原因のようにも思われます。世界の多くの人が考えて行動しないことで、悲劇に向かってしまう、というお話なのかもしれません。
世界が終わる時、近くの人に何も知らないと言われないよう、自分の頭で考えていたい、などと感じました。
ラストのシーンは切なく、ゆっくりと暗くなった画面をいつまでも眺めてしまいました。
決して説教臭くはないですし、コミカルな掛け合いも多い楽しい舞台です。恐らくこのお話が伝えたいことはもっと深く、沢山あるので、ぜひ機会がありましたら見てみて下さい!

素敵な機会を下さった「演劇支援プロジェクト SAVE THE THEATRE」さま、そして提供元の劇団「MONO」さま、本当にありがとうございました!



ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
引き続きSakaseruをどうぞよろしくお願い致します。

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