2020年08月21日
こんにちは。
Sakaseru代表の小尾です。
今回のコラムは、全5回のコラムの内の第2回となります。
全5回のコラムを通じて、webサービス・アプリの作り方をご紹介させて頂く試みとなっています。
先日リリースしたミンサカ(クラウドファンディングの仕組みです)を例に、
まだ記憶が新しい内にご紹介をさせて頂きます。
因みに、コラムを通じて、僕が話せる事は全てオープンにしてお伝えをしていきます。
中には事業やプロダクトの新たなアイディア等も含まれているかもしれませんが、
僕は、アイディアや手法に、余り価値は無いと思っています。
どれだけ無骨であっても、実際に世の中に出した人に価値があると考えています。
ですので、頭の中にある事は、全て書かせて頂きます。
もし、たった一人の方でも記事に価値を感じて頂けたら、とても嬉しいです。
全5回の流れ
はじめに
↓
着想・構想編(いまここ)
↓
デザイン・プログラミング編
↓
収益編
↓
本番リリース〜運用編
前回のコラムでは、今回の試みを行うきっかけと背景をご紹介させて頂きました。
前回の内容を簡単にまとめますと、次の3つになります。
1. 今まで僕が先人に頂いた知見や経験を、他の方に返すことで恩返しをしたい。
2. webサービスやアプリを作る方が少しでも増えて頂ければ嬉しい。
3. この先の時代、webサービスやアプリを作る事ができれば良いことがありそうだから。
詳しくご覧になられたい方は、こちらから前回のコラムを是非御覧下さい。
今回は、webサービスを作る上で、どの様に取り組むテーマを決め、具体的にどの様なプロダクトにするのか着想〜構想までのお話をさせて頂きます。
実は、ミンサカは、とある方からアドバイスを頂いたのがきっかけでした。
YouTubeのスパチャの様な、投げ銭の仕組みが流行り始めた時期、同じことを花を使って出来るんじゃない?
と言葉を頂きました。
具体的には、人気の舞台俳優さんやアイドルが主体となって、「応援してもらいたい!」と企画を立てます。
その企画に対して、ファンの方が投げ銭をして、集まった金額の中からフラスタを作り、会場に届ける。
集まった金額の内一部は、演者さん、或いは事務所さんと利益を分ける。
といったアイディアでした。
時代の流れに沿った素晴らしいアイディアですし、上手く行けば儲かりそうなアイディアです。
これが元々ミンサカを作ろうと思ったきっかけでした。
先程のアイディアをチームメンバーに知らせ、早速構想を練っていきます。
使ってくれる演者さん、投げ銭してくれるお客様は、具体的にどの様な方々か。
現状、集金をしてお花を贈る文化はどの様に成立しているのか。
プロダクトを世の中に出した時に、使って下さる方々の顔を思い浮かべながらディスカッションをしていきます。
ある程度、使って下さる方の顔が見えたら、具体的にどの様なプロダクトを作るか、どの様な座組で事務所さんと取り組むのか、ノートに書き出したり、Keynoteで構想をまとめていきます。
次にしたことは、この構想を元に実際にターゲットになりそうな方にインタビューをさせて頂いた事です。
まず、声優さんや俳優さんの所属する事務所さんに、「今こういうことを考えていて、是非1時間だけお打ち合わせをさせて頂けないでしょうか?」とメールで連絡をしていきました。
実際にメールをさせて頂いた内の5%位の事務所様が快諾をして下さいました。
よく分からない会社からの打診にも関わらず、本当にありがたいことです。
実際にインタビューさせて頂いた事務所様との打ち合わせでは、ミンサカの構想を非常に好意的に聞いて下さり、逆にこんなアイディアはどうですか?等とアドバイスを頂戴する程でした。
しかし、どの事務所様からも共通して伝えられたことが、
「お花は好意で受け取ってもらっている物なので、事務所や演者から、Sakaseruのサービスを使って下さい。と、公に伝えることが厳しい。」
といった事でした。
インタビューさせて頂いたからこそ得られた視点でした。
複数人によるお花贈りの事をインターネットで調べる内に、どうやらTwiPlaと呼ばれる素敵なサイトを使ってお花贈りの集客が行われていることに気づきました。
主催の方が企画の概要を作り、パネルのイラストを描かれるイラストレーターさんに絵を発注し、
アイディアを実現してくれそうなお花屋さんにお花を依頼する。
主催の方の構想や想いに賛同される参加者さんが、少額で花贈りに参加する。
こんなに楽しそうな世界があることを今まで知りませんでしたので、それはワクワクしました。
先程の事務所様インタビュー同様、お花贈りの主催者様にインタビューを開始しました。
TwitterのDMで連絡をさせて頂き、お仕事終わりの疲れている中、インタビューに応じて頂いた方々には本当に感謝しています。
貴重なお時間を頂戴してインタビューさせて頂きますので、時間を無駄にしないよう、
ミンサカで、どの様な事を実現したいのか、目に見えやすい形で事前に用意させて頂きました。
prottと呼ばれる便利なアプリを使って、ミンサカのモック(紙芝居)を用意しました。
企画の作成から、参加、花贈りまでの流れを、画面上で共有しながらインタビューを行いました。
インタビューをして初めて、お花贈りの主催者様の大変さ、そして喜びを知ることが出来ました。
特に主催者様が大変に感じられていることが、参加表明と入金状態のすり合わせ。
参加者様への連絡、取りまとめの部分でした。
そして、喜びの部分に関しては、構想していたフラスタ・楽屋花が実際に会場で見た時の喜び。
更に、参加者様やイラストレーター様含め、みんなで贈った最高の体験が出来る、ということが分かりました。
ここまで、事務所様へのインタビュー、花贈りの主催者様へのインタビューそれぞれ行いました。
あとは、ミンサカを、誰のためのサービスにするか、決めるだけです。
上記2つのインタビューを経て、ミンサカは、花贈りをされる主催様、参加者様へのサービスにすることにしました。
理由は、目の前で困っている人がいるのと、既存のお花贈りの喜びを更に高めたいと思ったからです。
参加表明、集金、お花贈りまで、一気通貫したサービスを作って、複数人のお花贈りに特化したサービスを作ろう。
そう決めました。
ミンサカの方向性を決めたら、後は具体的にどんな仕組みで主催者様、参加者様に貢献をするのか決めます。この時同時にプロダクトの収支についても考えますが、それは後のコラムでご紹介させて下さい。
貢献させて頂く内容は次の2つです。
・主催者様は、お花贈り企画に関して煩雑なことはミンサカに任せ、より気軽に主催が出来る状態にする。
・参加者様は、より安心してお金を預けられる状態にする。
この様になぜやるのか、そして、なにをするのかを最初の段階で決めておくと、プロダクトを開発する上で
迷った時に、立ち返ることが出来るので便利でした。
当然、プロダクト開発する上で、外部環境がコロナウイルスの影響の様に大きく変わることもありますし、開発途中に新たな気づきも多々ありますから、その際は柔軟に考えを変更しました。
ミンサカをリリースして、お客様に受け入れて頂けた場合の世界を考えました。
僕は、まだ着手してもないプロダクトの事を考え、妄想する時間がとても好きです。
こんな妄想をしていました。
・今までハードルの高かったお花贈りの主催を、より気軽に行えることで、主催者様の数が増えて、よりお花が贈られる世界になると良いな。
・主催者様の努力がきちんと可視化されて、称賛を受けてくれると良いな。
・いつか演者様や事務所様が企画を立ててくれたら良いな。
・お花以外のギフトも贈られるようになると良いな。
この他愛もない妄想を抱くことで、プロダクトをより改善・進化させる原動力になっています。
作るものが決まったら、あとは作るだけです。
頭の中にある構想が現実にプロダクトになっていく様子は何物にも代えがたい喜びがあります。
次回のコラムは
3人でクラウドファンディングのサイトを作った話 デザイン・プログラミング編です。
最後までお読み頂ければ、とても幸せです。
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