フラスタ・楽屋花のSakaseru

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4年間応援して下さり、ありがとうございます。 -Sakaseruができあがるまでをご紹介します-

4年間応援して下さり、ありがとうございます。 -Sakaseruができあがるまでをご紹介します-

2019年10月14日

こんにちは。
Sakaseru代表の小尾です。

10月14日は僕たちSakaseruの設立記念日です。

今年の10月で丸4年。大変なことも嬉しいことも沢山ありましたが、Sakaseruを通じてお客様の笑顔は少しずつ増え、サービスも何とか継続をすることが出来ています。

ここまでSakaseruを継続できたのは、いつもご利用頂き、応援して頂いている皆さま一人ひとりのおかげです。
いつもSakaseruをご利用頂き、そして応援して下さり、本当にありがとうございます。

今回のブログでは、Sakaseruの今までをご紹介をさせて頂きます。



Sakaseruのはじまり



営んでいた六本木の花屋



Sakaseruは六本木の小さなお花屋さんで生まれました。
15年のエンジニア生活を経た後に、紆余曲折、色々な出会いがあって、培ったITの技術を花業界に貢献をしたい。
そんな想いで、歌舞伎町の夜の花屋から、六本木の花屋まで、花屋の経営に携わらせて頂きました。

ITエンジニアは快適なオフィスでコードを書いていればお給料が貰える一方、花屋の労働は非常に過酷でした。

花を仕入れるために朝早く起き、閉店まで夜遅くまで労働する。
雨や雪の日は売上0円の日も珍しくはありませんでした。
そんな状態ですから、社長を含め、従業員の給与は低い状態。

六本木の町でガーベラにチラシを巻き、何千本も配りましたが、そこからお花を買ってくださる方は誰一人いませんでした。

画期的なお花をお客様に提供すると始めたのは良いものの、お店の赤字は積み重なり、現場の雰囲気も悪くなる一方。
一緒に働いている従業員も次々と辞めていきました。
僕たちの隣の花屋も経営が苦しく、閉店をしてしまいました。

2年程お店は続けましたが、資金も底をつき始め、閉店の話が持ち上がりました。
しかし、ITの技術で花業界に貢献したい。その想いは変わりませんでした。

どうにかして再生の道は無いかと、インターネットを眺めている内に
KDDI∞Laboと呼ばれるベンチャー企業の育成プログラムが企業を募集していることを知りました。

「このプログラムに応募して、それで採択されなかったら、解散しよう。」

当時の代表に打診したところ、そうしよう。となりましたので、応募するためのプランを考えました。
こういったプログラムは、プランありきで応募するのが通常だとは思いますから、今考えれば順番は逆です。しかし、それだけ背水の陣でした。

さて、プランはどうしようか、そう考え始めた時に、今の六本木の花屋、潰れてしまった隣の花屋。ひいては、日本の花屋の苦しい実情を解決することをしよう。
恐らくこれしかやることが無いのだな、と信じ、プランを作りました。



Sakaseruの達成したかったこと



考え、信じたプラン、つまり今のSakaseruの原型の理念は
「日本の花屋がハッピーに働くことが出来る世界を作る。」
でした。
個性のあるお花を、一つ一つお客様に提供をして、精神的にも、経済的にも花屋が豊かになれるプラットフォーム・環境を提供する。ただこれだけをやろう。
その想いでプランを作り、KDDI∞Laboに応募をしました。



ベンチャープログラムへの応募



応募したときは、ハッキリ言って全然採択されるとは思っていませんでした。
他の応募する起業家は、「AIで世界を最適化する」や、「ARで世界がぶっ飛ぶプロダクトを作る」など、ただの花屋だった僕からみれば、何だかキラキラして、天の上の人達のように見えたからです。

KDDIや、大手企業の偉い方々を目の前にプレゼンをした際には、脚の震えをどうやって止めるか。それしか考える事が出来ませんでした。

発表自体も沢山噛んで、今考えれば稚拙な資料で、これは確実に落ちたなと、トボトボ帰宅した記憶が鮮明に残っています。



落ちたなと思ったけれども



完全に落ちたなと思っていましたから、お店を閉じる準備等も始めていたところ、一通のメールが届きました。

「エントリー頂きましたKDDI ∞Labo第7期プログラムの件ですが、ぜひ貴チームに
ご参加頂きたくご連絡致しました。世界に通用するワクワクするサービスを
一緒に創り上げていきましょう!」

誤送信してるのではないか、と暫くメールを眺めていましたが、どうやら僕たちに宛てられたメールのようでした。
新しいお花のサービスを作ることが出来る!
今すぐ花屋を閉じなくても良くなった!
色々な想いが交差し、とにかく嬉しかったことを覚えています。



ベンチャープログラムでの3ヶ月間



ここからは採択された他の起業家達と3ヶ月間のプログラムを過ごすことになります。

AI、本×IT、AR、医者×IT、花×IT(Sakaseruです。)
他の起業家たちは非常にパワフルで、視座も高い。
Facebookの友達申請をして頂いて、アカウントを見ると、友達の数が何千人と繋がりがあって、誰でも知ってるようなすごい人達と繋がっている。
(その時の僕のFacebookの繋がりは100人くらいでした。)

取り組む領域も、正直に言えば、花よりも何だか格好良く見えましたので、本当に参加して良いのだろうか。
ワクワクする気持ちよりも、劣等感を強く感じていました。

プログラムの期間は、想像以上に過酷なものでした。
プランはボコボコに否定され、修正を余儀なくされる。毎週プレゼンをするものの、厳しい質問で理詰めにされる。3ヶ月間でほぼ何もない状態から、プロダクトをリリースするわけですから、それは、厳しくなるのも今では理解できます。

また、「市場規模」「4P4C」「P/L」「事業計画」「経営者としてのマインドの持ち方」あらゆる知識を叩き込まれ、訓練をすることが出来ました。
普段は絶対に会えないような、有名なサービスの代表達からも、沢山のアドバイスを貰うことが出来ました。

得たものがあった代わりに、失ったものもありました。
それは、当時の共同経営者でした。
過酷な環境の中で仕事の進め方や、そもそもの考えの違いなど、潜在していた物が一気に顕在化して、喧嘩どころか、会うのも嫌だ。そんな冷え切った関係になってしまいました。
彼は今まで沢山のリスクを背負って、僕に仕事を与えてくれ、ご飯を食べさせてもらっていたにも関わらず、そういった恩を忘れ、本当に酷いことをしてしまいました。
※今ではビールと焼き鳥を一緒に楽しく食べる仲です。

得たもの。失ったもの。

紆余曲折ありましたが、過酷な3ヶ月間のプログラムのお陰で、現在のSakaseruの元になるプロダクトを世の中にリリースすることが出来ました。
プロダクトも、人間も育て上げて下さった、関わる全ての方へ、感謝しています。



デモデイの様子



花屋(現実)に戻る



キラキラした起業家仲間や環境とも別れ、翌日からまた六本木の花屋で仕事をしていきます。SakaseruのリリースはKDDIのお陰で、各種メディアが大々的に取り扱ってくれたものの、そのスタートは厳しいものでした。

全く注文が入らない。

何日経っても注文が入らないので、自分の書いたプログラムのコードに不具合があるのではないかと、カートのコードを調べますが、全く正常に動いています。

つまり、誰も買わなかったということです。

月の売上はたった数万円。
Sakaseruが動くサーバ代金を支払えば、それで終わり。

六本木の花屋の家賃は掛かりますし、僕の食べるお金も出して下さっていた。
経営はとっくに限界を迎えていました。



花屋の終わりとSakaseruのはじまり



ある時から見えていた終わりは、現実になります。
花の仕入れを辞め、什器を破棄し、従業員も辞める。

当然Sakaseruも閉じるのが経営としては至極正しい判断です。

しかし、あの過酷な3ヶ月間、沢山の人に応援してもらって作ったプロダクト。
何より、今までの人生で何も成し得なかった自分が、また今回も何も成し得ない。

簡単に諦める選択肢がありませんでした。

「今まで掛かった開発費、人件費、その他の販管費すべて支払うので、Sakaseruを僕にやらせてもらえないか。」

歌舞伎町の喫茶店で共同経営者にお願いをしました。

「Sakaseruは小尾君がやったほうが良いと思うし、今まで掛かった費用に関しては全部いらない。」

男気のある彼は、僕にSakaseruを引き継ぐことを許してくれました。

2015年10月14日。
会社設立の書類にハンコを押して、株式会社Sakaseruは出来上がりました。



Sakaseruの現在



起業してから2年間はずっと赤字でした。
とにかく、全然花が売れない。
試行錯誤しても、全部ハズレ。
毎月のお金の収支を見ると、あと何ヶ月後に会社が潰れるのか、分かる状態でした。
「エンジニアで食べたほうがずっと儲かるのに、なんで花なの?」
そういう問題じゃないんだよな、、と思いつつ、何人の人からも言われました。

しかし、どんな辛い状況のときにも、叱咤激励して下さる恩師がいました。
KDDIのプログラムで3ヶ月間メンター(面倒を見て下さる人のこと。)を引き受けてくれた方です。

「辛くても、3年やってみるといいよ。何か見えるかもね。」

この言葉を信じて3年間鳴かず飛ばずのSakaseruを続けてきました。

嘘みたいな話ですが、3年目に光が見え始めます。
Sakaseruのサービスを求めて下さるお客様が、やっと現れたのです。
それは、ご公演やライブに伴うお花を求めて下さるお客様でした。

オーダーメイドの、沢山の想いが込められたお花を買って下さるお客様に、ようやく出会うことが出来ました。

twitterで喜んで下さる方。
ご自身で会場でお花の写真を撮り、嬉しいお声と共にご報告して下さる方。

3年続けると何か見えるのは、本当でした。

Sakaseruの達成したいことも昨年変えました。
以前)「日本の花屋がハッピーに働くことが出来る世界を作る。」

現在)「花に関わる全ての人を幸せにする。」

花を作る人。
花を贈る人。
花を貰う人。
花を運ぶ人。
花を管理する人。

沢山の人の手と想いを介して花は旅をします。
折角Sakaseruをやるのであれば、関わる人すべてが幸せであってほしいと、思えるようになったからです。

Sakaseruは新たなスタートを切りました。



最後に



ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。
普段は書かないような内容を、設立月を良いことに書いてみました。

この4年で、Sakaseruは生きているのではなく、生かされているのだと気付くことが出来ました。

Sakaseruをご利用頂いているお客様。
想像を超える花を作って下さるフラワーデザイナー。
共にSakaseruを創造する仲間。

関わる方全てに感謝の想いをお伝え致します。

ありがとうございます。

株式会社Sakaseru代表取締役
小尾 龍太郎

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